“自然塩・天然塩”は 存在しない?
食卓になくてはならない調味料「塩」は、製法の違いで「精製塩」と「自然塩」に分けられます。
日本では、1974年に海水を塩田で天日干しして作るなどの自然製法が禁止されてからは、1997年に塩の専売制度がなくなる(実際には2002年)まで食卓に出回る塩はすべて工場で塩水を電気分解して製造する精製塩のみでしたが、自由化以降今では塩田づくりの復活や岩塩(主に海外)などの自然・天然製法による塩も見かけることが多くなりました。
自家製の塩には、以下のような効能や効用があると言われていますが、個人の体質や状態によって異なる場合があります:
- 自然なミネラル: 自家製の塩は、天然のミネラルを豊富に含んでいます。海水や地下水から作られる塩には、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルが含まれています。これらのミネラルは、健康維持や体内のバランスをサポートする役割があります。
- 消化の促進: 塩は消化酵素の分泌を促進し、胃酸の分泌をサポートする効果があります。適量の塩を摂取することで、消化を助けることができます。
- 電解質の補給: 塩には身体に必要な電解質が含まれており、水分のバランスを調整する効果があります。特に運動や発汗によって失われた電解質を補給するためには、塩を摂取することが役立ちます。
- 抗菌効果: 塩には抗菌作用があり、細菌や微生物の繁殖を抑制する効果があります。これにより、食品や傷口の消毒に役立つ場合があります。
- 風味の向上: 自家製の塩は、独自の風味を持つことがあります。塩の種類や製法によって異なる風味が生まれ、料理や調味料の味わいを豊かにする効果があります。
これらの効能や効用は、自家製の塩に含まれるミネラルや特性によって生じます。ただし、摂取量や体質によって効果には個人差があります。適量を守り、自身の体調や医師の指示に従いながら摂取することが重要です。
※ 研究者によると「精製塩」と「自然塩」いずれも成分の大半はナトリウムであり、ミネラルやマグネシウムなどの各種成分についても健康への効用を結論づけるような分量ではないため自然塩の優位性を認めることはできないとの説もあるようです。実際、「自然塩」「天然塩」といった商品への表示は、健康によいという誤解を生じさせるおそれがあるとして認められていません。
ただ、感覚(思い込み?)的なものかもしれませんが、やはり自然製法の塩のほうが一般の食塩に比べて旨味や滋味・ほんのりとした甘みのようなものを感じられるようです。
…というわけで、自宅でできるお塩作りについてまとめてみました。
おうちでできる自家製塩の作り方
自宅で手作りできる塩の作り方は以下の通りです:
(浄化した海水を使用して塩を作る一般的な製法になります)
材料:
- 海水または浄化された海水(できれば安全な場所から採取または入手)
海水を採取するか、安全な場所から入手した浄化された海水を準備します。浄化された海水を使用する場合は、濾過や沈殿などの適切な処理を行ってください。 - 大きな浅い容器(ボウルやプラスチックトレイなど)
手順:
- 海水の採取: 浄化したい海水を採取します。安全で清潔な場所から採取し、不純物や浮遊物をできるだけ取り除くようにします。
- 濾過: 採取した海水を濾過します。ろ紙やろ過装置を使用して、細かな粒子や浮遊物を取り除きます。
- 沈殿と上澄み液の取り出し: 濾過した海水を静置させ、重い不純物を沈殿させます。その後、上澄み液(清澄な海水)を慎重に取り出します。
- 結晶化: 上澄み液を容器に移し、ゆっくりと水分を蒸発させます。温度や湿度を適切に管理し、塩分濃度が上昇して結晶が形成されるまで待ちます。
海水を大きな浅い容器に注ぎ、容器を太陽の光が当たる場所に置き、自然に水分を蒸発させます。塩分が濃縮されて結晶が形成されるまで、数日以上待つ必要があります。 - 結晶の取り出しと乾燥: 結晶が十分に形成されたら、容器から結晶を取り出します。結晶を濾過器や布で濾過し、水分を取り除きます。その後、結晶を乾燥させるために日陰や風通しの良い場所に広げます。
- 保存: 乾燥させた塩を密閉容器に入れ、湿気や水分を避けて保存します。適切な保存状態で保管することで、自家製塩を長期間楽しむことができます。
冷暗所で保存するなど、湿気や水分を避け、適切な保存状態で保管することが重要です。
上記の手順は一般的な製法ですが、実際の作業には環境や条件によって微妙な違いが生じることがあります。自家製塩の製法は個人の好みや条件によっても異なる場合がありますので、自身の状況に合わせて調整してください。また、衛生面や製法に関する注意点を守ることも重要です。
自家製の塩を作る際には、水質の安全性や衛生面に留意することが重要です。また、海水の採取には地域の法規制や環境保護に関するガイドラインに従うことをおすすめします。安全でおいしい自家製の塩を作るためには、適切な手法と注意が必要です。
コメント